発達障害ブーム
ADHD(注意欠陥/多動性障害)は、2000年に入ってから身近に聞く言葉となりましたが、その起源は比較的古く、1902年イギリスの小児科医サー・ジョージ・フレデリック・スキルによって提唱されたものです。
1980年にDSM-Ⅲに「多動を伴う注意欠陥障害」として診断名が登場し、それが1994年になってADHDと現在の名前になりました。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、学齢期の子供に多くみられる精神的な発達障害の一つで集中力や注意力が欠如し、また多動性・衝動性が顕著にあらわれ、学校での集団生活や学業にも支障となっている障害です。成長とともによくなりますが、大人になっても症状が残ることがあり「大人の発達障害」とも言われています。
発達障害ブームによる誤診の拡大
ADHDが日本で広まった背景として「精神科セカンドオピニオン活動」によって浸透していったと言われています。
ADHDの診断には、
「片付けができない」
「マイペースだといわれる」
といったチェックシート形式のものが用いられます。
(例)
ただし、多くの人が該当する項目が含まれるために
その結果、
「私の子供はADHDではないのか?」
「自分は、あるいは身内はADHDかもしれない」
といった人が増加し、来院者数が急増しているようです。
何か生きづらさを感じると、その原因としてADHDやうつ病が原因にあるとして
「自分はADHDかもしれない症候群」
という人も増えているようです。
実際に、ADHDと診断される人が年々おそろしい勢いで増加していると言われています。
ADHDは先天的な脳の発達トラブルで、多動がとまらないような病気です。
子供の頃は、正常であったのに、解離性障害やPTSDを受けると成人してから発達障害に類似した後天的な症状もでてくる場合もあるので、それと誤診してしまうのかもしれません。
ADHDと診断される9割の人は誤診であるとも語る医師もいるように、多くは誤診なのではないかと思われます。
ADHD薬として利用されるストラテラ、コンサータとは
ADHDと診断されると、よく処方される薬として有名であり、問題ともなってくるのが
「ストラテラ」
「コンサータ」
という薬。
ADHDの特性として、集中力がない、落ち着きがなく片付けが上手くできないといったものがありますが、これらの症状を改善しようとしてよく用いられます。しかし、これらも向精神薬(抗うつ、抗精神、抗不安)同様、対症療法であって、薬の効果が切れると元の状態に戻ってしまう薬です。
特に気を付けないといけないのが、後で述べますが覚せい剤とほとんど同じ作用で働く薬であるということです。
長期で服薬すると、血圧が高くなった、感覚過敏がひどくなったといった症状を訴える人も多いようです。
あくまで、ADHDの症状を治療する薬ではないので鵜呑みに信じて服薬し続けることに注意が必要です。(治療薬といって飲ませる医師も多いですが)
コンサータは、2000年に米国で認可され、日本でも2007年から日本で初めて、「小児期における注意欠陥/多動性障害(ADHD)」を適応とする製造販売承認された処方箋医薬品・劇薬に指定されている薬です。
メチルフェニデートと呼ばれる物質を使用していますが、これはアンフェタミン系の類似物質で、その代表的なものがメタンフェタミンです。メタンフェタミンは、覚醒剤(ヒロポン、スピードと呼ばれる)のことです。
コンサータと同じメチルフェニデートが用いられているのが「リタリン錠」。
リタリン錠はうつ病、ADHD用として処方されていましたが、2007年頃から頻発した飛び降り自殺で問題となった薬で、「リタリン騒動」とも呼ばれています。この騒動をきっかけに現在はナルコレプシーにのみ適用となっています。
ストラテラは、アトモキセチン塩酸塩と呼ばれる成分で、作用の仕方は抗うつ薬のSNRIと同じく神経伝達物質ノルアドレナリントランスポーターに作用してノルアドレナリン濃度を高める薬で、これも覚醒剤と類似した作用をしています。
ストラテラの場合は、各国政府機関が以下のような警告を発表しています。
2005年
・イギリス医療品庁は肝障害を引き起す危険性について通知
・ヨーロッパ医療品審査庁医薬品委員会は、自殺念慮、攻撃性、敵意、反抗的行動、怒りを起こすとして警告
・FDAは服薬している子供や若者に自殺念慮の危険性が増大するという枠組み警告表示などの改定指示。
2006年
・カナダ保険省は、ADHDの治療薬として処方されたすべての治療薬に対して、稀に突然死を含む心臓病の危険性がある警告を発表。
・オーストラリア保険省薬品・医薬品行政局は、ADHD治療薬であるストラテラが攻撃性を引き起したという
苦情を受けて、製造元の情報により強い警告を追加するように命じた。
薬の名前 | 作用機序 | |
製品名:ストラテラ 成分:(アトモキセチン塩酸塩) |
前頭皮質における、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害します。ノルアドレナリンが増え、神経系が活性化されます。側坐核には作用しません(ノルアドレナリントランスポーターが少ないため)。 | ノルアドレナリンを増やす薬 SNRIに似た作用 |
製品名:コンサータ 成分:(メチルフェニデート塩酸塩) |
線条体(ぜんじょうたい)、側坐核(そくざかく)という脳の部位におけるドパミンの再取り込みを阻害します。ドパミンが増え神経系が活性化されます。線条体、側坐核にも作用しますので、報酬系や依存性に関与します。前頭葉におけるノルアドレナリン、ドパミンの再取り込みが阻害されます。ノルアドレナリン、ドパミンが増え、神経系が活性化されます。 | ノルアドレナリン、ドーパミンを増やす薬 |
メタンフェタミンの作用機序
メタンフェタミンは、血液脳関門を易々と通り越して、大脳の中枢神経を刺激し覚醒させる作用があるため、医療用途としてはうつ病・精神病などの虚脱状態や各種の昏睡・嗜眠状態などの改善・回復に用いられる。
メタンフェタミン
小胞体へのドーパミン貯蓄を阻害して、シナプス前細胞の細胞質におけるドーパミン濃度を上昇させると共に、ドーパミントランスポーターを逆流させることにより、神経終末からドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどのアミン類を遊離させ、間接的に神経を興奮させる。さらに、モノアミン酸化酵素の阻害作用によって、シナプス間隙におけるアミン類の濃度を上昇させる作用を併せ持つ。
メタンフェタミンの反復使用は、ドーパミントランスポーター(DAT)やドーパミンD1受容体を減少させる。抗生物質ミノサイクリンの前投与と併用によって、DATの減少やD1受容体の減少を抑えることができる。
アンフェタミンの作用機序
ユートマー(英語版)(eutomer、活性の高い方の光学異性体を指す)であるデキストロアンフェタミンは、血液脳関門を易々と突破し、モノアミン神経伝達物質のノルアドレナリンおよびドーパミンの放出促進と再取り込み阻害によって、中枢神経に作用する。セロトニンには影響しない。放出促進の過程では、小胞モノアミン輸送体VMAT2に対する活性の発現が、特に重要な役割を果たす。
アンフェタミン
実際に、長期で使用していくことで蓄積され症状をしだいに悪化させていくことになります。
ましてや、子供の頃から飲ませるような薬ではなく、海外では多くの注意喚起がなされていますが、精神医療従事者たちは自身たちの利権のためか無視しているのが現状です。
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