リラックスする食品を摂る
あがり症、不安、緊張、対人恐怖。
マクロ的にみると、自律神経系(交感神経の高まり)が関係しそれが原因で筋肉が硬直し悪循環ループにはまっていることが考えられますが、ミクロ的には神経伝達物質などのホルモン分泌も関係しています。
ミクロ的に改善していくには、「食事法の改善」あるいは「サプリメントを利用する」方法で対処していくといいでしょう。ただし、口から摂るものは、向精神薬と同様に、一時的に緩和する対症療法みたいなもので根本解決にはならないので、継続して摂っていく必要がありますね。
栄養素
神経伝達物質とは、神経間を往来し情報を伝達する化学物質のこと。
精神面に関与する代表的なものは、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンですね。
向精神薬は、基本的にはこれらの神経伝達物質をコントロールするものです。
ドーパミンは「楽しい感情」、ノルアドレナリンは「意欲、興奮、緊張」、セロトニンは「爽快性」などに関わっています。
覚醒剤(メタンフェタミン、アンフェタミン)もこれらの神経伝達物質に強烈に作用するものです。
向精神薬と同様に強力に作用するものほど副作用や、その後の禁断症状が強くなるイメージがあります。
ですので、強力に分泌を高めるものはなるべく控え、食事やサプリなどでマイルドな分泌を促す程度にとどめておいたほうがいいのではないかと思います。
パニック障害など不安障害では、
「セロトニンの減少」
「ノルアドレナリンが増加」
している状態といわれています。
ですので、不安を軽減するにはセロトニンを増やしたり、ノルアドレナリンを低下させる食品あるいは、副交感神経を高めるなど摂るといいことがわかります。
ノルアドレナリンを抑制するのが「GABA」です。
抗不安薬、睡眠薬でよく使用されるベンゾジアゼピン系はGABAを増やしノルアドレナリンを抑制するので、不安を軽減する作用があります。
つまり
セロトニンを増やす
GABAを増やす
ような食品を摂るといいことになりますね。
他にもリラックスに関わる神経伝達物質や栄養素として、
「アセチルコリン」
「テアニン」・・アミノ酸
があります。
食品類
では、上記のような効果をもたらす食品にはどのようなものがあるのか調べてみました。
セロトニンを増やす食材
セロトニンを増やすには「トリプトファン」といったタンパク質(必須アミノ酸)を摂る必要があります。トリプトファンが多く含まれる食材は、肉、魚、豆、種子、ナッツ、豆乳や乳製品などに豊富に含まれています。
トリプトファンの含まれる食品(数値は100㎎あたりの量)
バナナ(10)、牛乳(42)、ヨーグルト(47)。豆乳(53)、白米(89)、そば(192)、アーモンド(201)、肉類(150-250)、納豆(242)、プロセスチーズ(192)、たらこ(291)、すじこ(331)
GABA
GABAが含まれる多く含まれる食材は「なす、たまねぎ、トマト、かぼちゃ」です。
ただし、そのまま食べるよりも、事前に切ってストレスを与え、冷蔵庫に1日寝かしておくとGABA摂取量が高まるようです。GABAはそのまま食べても、脳内GABAは増やしませんが、血圧を下げることで鎮静化させる作用があるといわれています。ピザなどのトッピングとして食べるといいですね。
日常的に摂るなら、「玄米、発芽玄米」がいいですね。
糠の部分には栄養素が多く含まれ、白米よりもGABAが多く含まれるようです。また、発芽玄米のほうが消化がよくGABAの量も多いので発芽玄米がおすすめです。
また、脳内のGABAを増やすには、ビタミンB6やMg,Znといったビタミン、ミネラルを摂ることで代謝効率を高め増やすことができます。
アセチルコリン
脳内のアセチルコリンはリラックス、集中力に関わる脳波シータ波を高めてくれます。
学習能力だけでなく催眠や瞑想などにも関わってくるので冥想力を高めたい人は摂っておくといいでしょう。脳内のアセチルコリンを増やす物質はペプチドの「レシチン」です。レシチンは大豆、卵黄に多く含まれるもので、他の食材はほとんど含まれていません。ですので、大豆と卵は積極的に摂りたいですね。納豆に卵をかけて食べるのが一番効率がいいかと思います。
食品に含まれるものは「なす」です。「なす」は普通の野菜の約1000倍含まれていることが近年の研究で明らかとなったようです。脳内アセチルコリンは増やしませんが、体内で鎮静効果があるようです。
テアニン
「テアニン」は「カテキン」同様、緑茶に多く含まれるアミノ成分です。
カテキンは渋み成分ですが、テアニンは甘味成分として働くため、甘味のあるお茶ほどテアニンが多く含まれることになります。甘味のあるお茶というと高級茶「玉露」「抹茶」。一般のスーパーではなかなか手に入りにくいので大きなデパートかネットで購入する必要がありますね。
サプリメントで摂る
食事から摂るのもいいですが、実際なかなか摂るのが難しい方も多いかと思います。
そういった場合は、サプリメントを利用するのも一つの手段です。ただ、過剰に摂ると向精神同様に副作用がでる場合があるので注意が必要です。(例えば、Mgを多くとると下痢をするなど)
特に、ハーブの「セントジョーンズワート」はセロトニン分泌を促す作用がありますが、その作用機序は向精神薬と同様なので、摂りすぎるとめまい、動悸、いらいらなどの「セロトニン症候群」を引き起こす副作用があることで知られています。
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