逆説的志向とは
心理テクニックにはいろいろとありますが、私が一番役にたったのが「逆説的志向法」ですね。いわゆる「気づき」というもので人が変われますが、その「気づき」を与えてくれたのがこれです。
「逆説的志向法」は、ヴィクトール・E・フランクルという心理学者によって提唱された手法です。
フランクルは、フロイト、ユング、アドラーに次ぐ「第四の巨頭」と言われる偉人。
第2次大戦中のナチス強制収容所を生き延び、その時の体験で「逆説的志向法」を生み出します。このときの体験をもとにした著書『夜と霧』は、世界的ベストセラーになっています。
われわれが自分の不安から自由になれるのは、自己観察やまして自己反省によってではなく、また自分の不安を思いめぐらすことによってでもなく、自己放棄によって、自己を引き渡すことによって、そしてそれだけの価値ある事物へ自己をゆだねることによってである。
『神経症1(V・E・フランクル[著]、宮本忠雄 小田晋[訳] みすず書房)
フランケルの提唱したセラピーは「ロゴ・セラピー」と呼ばれるものです。
「逆説的志向法」と「反省除去」も「ロゴ・セラピー」の中にある代表する手法です。
逆説的志向法の考え方
人は普通、不安や恐怖があると逃げたい気持ちになってきます。しかし、それとは「逆に」不安や恐怖に立ち向かっていこうという考え方に転換する思考法が「逆説的志向法」になります。
いわゆる「リスクをとっていく」という考え方でしょうか。
だいたい多くの「心の病」を抱えている人の思考は
「待っていれば安全」
「傷つかず楽して治りたい」
「なるべくお金をかけずに治したい」
と思っている人が多いと思います。
そして、受け身的、依存的な人が多いのではないかと。
私も実際そうでしたが、投薬治療で医者に任せてのんびりしていても全然治らない
(むしろ悪化している)ので、
「このままではいけない!ぜんぜん自分は成長していない!」
とハッと気づいたことがきっかけで、積極的に治していく思考に転換し、あれこれと色々なセラピーを受けていきました。おかげで今はどんぞこ状態から回復し、長いうつ病ループから抜け出していくことができ人生も上向いていけるようになっています。
薬をずっと服用し続けていたら先はなかったかもしれません。
これも、「考え方を反転していく」考え方で「逆説的志向法」の一つの例だと思いますが、他にもマインドフルネスの中でも同じようなことがいえますね。
「瞑想法」をやると、「無になろう」と無意識に入っていこうとしますが、逆に雑念が湧いてきて上手くいかないです。逆にマインドフルネスでは「雑念をありのままに観察する」といったように無になろうとせず雑念を受け入れるという点が「逆説的」ですよね。
正直いろいろなセラピーで騙され、かなり大金を失いもしましたが、結局お金よりも人生と健康のほうが大事ですね。うじうじとしてずっと閉じこもっていては先には進めないですね。
「経験値をあげる」という思考で、いろいろと当たって砕けていかなければ、うつ病は治していくことはできないし、ずるずる転落していくばかりでしょう。
逆説的思考法のやり方
で、不安障害の応用テクニックの例としては、うつ病などの気分障害よりも、
「パニック障害」「潔癖症」「あがり症」
なとの不安障害や強迫性障害によく用いられています。
例えば、プレゼンのときや結婚式のスピーチで「緊張しないよう、あがらないでくれ~」と思っていても、だんだん時間が近づいてくるほど頭はそのことでいっぱいになり、前の人のプレゼンをよく聞けない、食事ものどに通らないといったことがあるでしょう。
基本的には
「上手く話せず恥をかくのが嫌だな~」
と潜在意識の中で考えているはずです。
ここで、逆説的志向では
「一回くらい恥をかいていいか~。失敗したらそのまま笑いをとってやれ~」
といった感じに考え方を変えていきます。
過去に友人の結婚スピ―チを任されたことがあるのですが、
「笑いを狙ったスピ―チ」をやっていくと上手くスピーチできて、評判が高かった経験があります。
(しかし、私はうつ病で人生大転落ですが。。。)
当然、いきなりこれだけで不安がなくなる!ということはありません。
自律神経を整えたり、筋肉をほぐしたり、練習を積み重ねる・・。
大変ですが、地道にやっていくしかありませんね。
催眠術の暗示にかかって
「いきなり上手く話せるようになった!」
なんてことはありませんので・・。
私も騙されましたがwこういう類のものは気をつけましょう。
(バナーをおすととびます)